グリーンライン雑記帳

Twitterでは収まらない長文を投稿するブログ。

長谷川博一氏に関する週刊新潮の記事を読んだ

週刊新潮 2018年10月4日号」(同年9月27日発売)に、「「宮崎勤」「宅間守」を分析した臨床心理学の権威に裏の顔! 被害女性が告発! 「私が施されたセックス・カウンセリング」」と題した記事が掲載された。
その記事は、新潮社のWebサイトで公開されている。https://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/backnumber/20180927/
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/10080801/?all=1
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/10090801/?all=1

 

カウンセラー・長谷川博一氏(元東海学院大学大学院教授)を、二人の女性が告発するという内容だった。
長谷川氏は、テレビ出演などによって著名なカウンセラーである。
カウンセラーなどの資格を持っている私は、数年前から長谷川氏のTwitter投稿を読み続けている。
そのため、週刊新潮の記事を重大な関心を持って読んだ。

 

記事は、長谷川氏のカウンセリングを受けていたという二人の女性の「証言」が中心なのだが、その内容が事実である証拠は記載されていない。二人の「証言」が事実ではない可能性は、いくらでも考えられる。
精神医学などを学んできた私は、人が様々な原因で「事実ではないことを事実と主張することがあること」を知っている。
現時点では、あの記事は深刻な人権侵害だと言わざるを得ない。
「日本で無罪推定の原則が有名無実化していること」が、あのような記事が掲載されてしまう要因だと思う。
https://www.bengo4.com/c_3/b_163665/

 

しかし、記事の内容を事実と断定した人々から、長谷川氏は非難され、関わりを断たれている。
一方の「証言」だけで誰かを処罰するのなら、裁判は要らないことになってしまう。それは、とんでもないことだ。
「正義」は、しばしば暴走する。正しいと思ってやっていたことが、後で間違っていたと気付いたとき、その人はどうするのだろうか。

 

長谷川氏を非難する人の一部は、「#MeToo」運動の影響を受けているのだろう。
「#MeToo」運動のように、多数の証言者が現れれば、その証言にはある程度の信憑性があると考えられる。
しかし、週刊新潮の記事では、長谷川氏に関する「証言」を述べた人は、わずか2名。現時点では、「#MeToo」運動とは相当異なる現象なのだ。

 

自助グループ「Thrive」のWebページには、長谷川氏と連携していたが、週刊新潮の記事を受けて、「彼女達がこれだけリスクがあるなか虚偽を言うメリットはありません。カウンセラーがクライアントと性的関係を持つ事は重大な倫理違反であり、あってはならないと思い連携解除致しました」との一文が掲載されている。
https://thrive-project.jimdo.com/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/

 

実際には、メリットがなくても虚偽の内容を語る人はいるのだ。
素人で、無知だから、思い込んでしまうのも仕方ないとも思う。
だが、善意で暴走する人々は、私にはオウム真理教の信者のようにも見えてしまう。
https://dot.asahi.com/wa/2018101000027.html?page=1

 

最近、「新潮45」が差別記事を掲載したことで休刊になったが、週刊新潮も「売れるなら何でもあり」の雑誌だと思う。
あのような記事を掲載した週刊新潮も、休刊すべきではないだろうか。